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2004年11月23日

宝くじの心理学

この記事をTwitterに投稿するはてなにブックマーク はてなにブックマーク│ この記事のカテゴリ: 02. 心理
1等と前後賞合わせて3億円の「年末ジャンボ宝くじ」が22日、全国一斉に発売された。各地の売り場は一獲千金の「夢」を求める多くの人でにぎわった。

   東京・銀座の西銀座デパートチャンスセンターには、午前8時半の販売開始前に約1000人の列ができた。1番窓口で先頭にいた横浜市泉区の男性会社員(57)は20日午前から約46時間、待ち続けたという。「当たる確率が高まるわけではないけど、一番がいいと思って」と話していた。

   宝くじは1枚300円で1等(賞金2億円)は74本。今年は2等(同1億円)が148本と昨年より倍増したほか、賞金1万円の年末ラッキー賞が222万本用意された。販売は12月17日までで、7億4000万枚(2220億円)の発売を予定。抽選は同31日、東京・丸の内の帝国劇場で行われる。

   宝くじが発売された。この不況にもかかわらず、というか不況だからか?、なんと短い期間に2000億も売る気なのだそうだ。

   個人的にはあまり宝くじは好きではない。宝くじはその仕組み上、株式投資などとは比較にならないほど、親(宝くじの場合は国や地方公共団体)の取り分が多くて、購入者にはリターンがないギャンブルだからである。(単にくじ運が悪くて、当たらないことに腹をたたているわけではない・・・ですよ?)

  しかし、これだけ宝くじが売れている以上、当然、そこにはマーケティングや心理学が存在しているわけなので、やはり、その裏にある仕組みや心理はしっかり研究しておく必要があるだろう。これだけ売上をあげる宝くじ販売の裏に潜む心理学を理解すれば、マーケティング力のアップに役立つことはきっと間違いない。

  そこで、今回は「宝くじ」に関連した心理学をいくつか紹介してみることにします。言われてみれば当たり前だけど、言われてみないとわかっていない「宝くじの心理学」がそこにはあるかもしれません。

 

1.「人は自分が買った宝くじのほうが、人からもらったくじよりも当たる確率が高いと考える。」の法則

昔、アメリカのある心理学者が50人ほどの会社員を集めて、一枚1ドルで宝くじを売る実験をしたのだそうだ。50人のうち、半分には自分でどのくじを買うかを選ばせ、残りの半分にはその心理学者が選んだくじを渡した後、しばらくして、「その宝くじを買い戻したい」と頼むと、まだどのくじが当たるのかわからないにもかかわらず、自分で選んで買った人は「9ドルで売る」といい、心理学者が選んだくじを渡された人は「2ドルで売る」と言ったということだ。



つまり、自分で選んで買った人たちは、「自分が選んだくじだから、当たる可能性が高い」と期待のあまり、その価値を何倍にも高めてしまったというわけだ。



この事実から、「人はどんなに安いものを買っても、自分が『選択』して買ったものに対しては付加価値を高めてしまう」という法則が導き出された。そして、この心理現象をを心理学用語で、「コントロールの錯誤」というのだそうだ。

・・・・・

ちなみに、ビジネスの現場でもこの心理的な現象はよく使われている。例えば、飲食店のメニュー表にある「松・竹・梅」「A・B・C」メニュー。いくつかの選択肢の中から商品を選ばせることで、お客さんの方が勝手にに商品への満足度を高めてしまう、という形で使われている。なかなか賢い方法だ。

お客さんに選択肢を与え、「選ばせる」ことが満足度や期待値を高める、という心理学はいろいろな場面で応用できるのではないだろうか?


 

2.「ハイリスクハイリターンの商品でも、リターンの割に参加コストが低いと人は喜んで買う」の法則

日本人は昔から、ハイリスクハイリターンが苦手だといわれている。そのため、貯金や預金は嬉々として行う人が大勢いるのに、「投資」に関心を持つ人は極めて少ないのだそうだ。

そのためだろう。これだけ「投資」の必要性がテレビで声高に叫ばれ、インターネットなど少ない手間と費用で取引できるようになっても、一般の人は、株式投資を勧めらると「損するかもしれない」と断る人が多いのだそうだ。

確かに、何が何でも財産を増やさなければならない事情がないならば、無理に投資する必要はないだろう。投資して失敗すれば、大きな損害をこうむるかもしれないのに、あえて投資する人がいないのも、それはそれで多くの人が合理的な判断をしているのだといえるだろう。

ところが・・・

そんな合理的な判断が出来る人たちも、こと宝くじに関しては、まったく合理的な判断はしない。最初に説明した通り、宝くじはその仕組み上、株式投資に比べて圧倒的に割が合わない上、はずれたら投資額がすべてパーになってしまうのにも関わらず、「宝くじの購入」はする、という人は多いのだ。

ここから「人はハイリスクハイリターンの商品でも、リターンの割に参加コストが低いと人は喜んで買う」という法則が導き出される。

日常的には、例えば、家電製品を買うときに、「この商品は20万円です」といわれると買うのをためらう人が、「ボーナス併用で月々5000円の20回払い!」といわれると買ってしまったりするのはこれに近いが、こんな感じで最初にかかるコストが低くなると、購入者が増えるということは、改めて説明しなくても理解できることだと思う。

「ベンチャー投資が近くの販売機でも出来る環境を」という人もいるが、「リスクが高い」といわれていることも、その最初にかかるコストが低いと参加者を集められる、という法則はどこかで使えるかもしれない。


「3.結局『当たるかも』と思っている人よりも、『当たるかも』という気持ちを持っている人たちに対してサービスや商品を提供する人のほうが儲かっている」の法則

しつこいけれど、宝くじで儲かるのは、当選者ではなくて、それを販売している国や自治体、販売店の方だ。ジャンボ宝くじなどの収益は数百億円に達するといわれている。

宝くじで一等に当選する人は購入者の数に比べて圧倒的に少ないうえ、当たっても、運営している側の収益の100分の1以下しかもらえないわけだ。でも、宝くじは毎回バカ売れしている。

このように、結局、『当たるかも』と思っている人よりも、『当たるかも』という気持ちを持っている人たちに対してサービスや商品を提供する人のほうが儲かる、というのが、実は厳然たる事実だ。これは仕組みを作る側に回りたいと思っている人間なら、当然、抑えておかなければならない事実だといえるだろう。

アメリカのゴールドラッシュ時に儲けたのは、金の採掘者よりも採掘者に丈夫なスボンを提供したリーバイスだったといわれているし、「起業」ブームで儲けているのは、「起業」関連雑誌を発行している出版社や起業塾を運営している会社だったりする。

競馬で儲けている人よりも、競馬雑誌や競馬新聞を発行している人のほうが確実に収益あげているものだし、パチンコで儲かるのはパチンコをしている人ではなく、パチンコ店のオーナーや「パチンコ必勝法」を販売する出版社であったりするものだ。

こういう「心理学」も覚えておく必要があるかもしれない。

 
 
・・・といった具合に、いくつか「宝くじ」に関係した心理学を紹介した。これが役に立つのか立たないのかは、読んだ方の判断にお任せしますが、覚えておいて損はない「心理学」だといえるでしょう。


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Tracked on 2004年12月10日 16:48