メガベンチャー
メガ・ベンチャー
増田 茂 (著)

たまには昔読んだ本もとりあげてみます。
メガベンチャー。この本を書いたのはコンパック(HPと合併)やアメリカのテレビショッピングの会社QVCの投資で成功したこともあるベンチャーキャピタリストの増田氏。ネットエイジの社長も、お気に入りの一冊にあげる「真のベンチャー企業とは何か?」について書かれた本である。
ま、内容を簡単に解説すると、要するに、創業からわずかな期間で数百億、数千億の売上を達成してしまう大きな成長をしてしまうベンチャー企業がどうやってできるのか、経済にどのような影響を与えるのか、といったことを、その場に立ち会ったべチャーキャピタリストの視点からあれこれ述べている本だ。と、あまりに簡単に解説しすぎると、中身がない本のように感じられるかもしれないけれど、かなり強い刺激を与えてくれる濃い内容の本だと思う。
例えば、世界中に販売網を広げ、最終的にヒューレット・パッカードと合併したコンパックが、創業にあたって投資してもらう際には、たった数枚の手書きの企画書しかなかったなんて話は、これから起業しようと思っている人にはかなり驚きの話fではないだろうか。また、ベンチャー企業が発展することで、大企業もその影響を受けて業績が回復してしまう話や、ベンチャーキャピタリストの影での活躍の話なども、なかなか面白い話だと思う。
日本でも盛んに「起業の時代」なんてことがいわれて、様々な支援策が打ち出されているけれど、相変わらず世界的な「メガベンチャー」が登場していない理由も書いてあるので、一読どころか、二読、三読の価値がある本だといえるだろう。
さて、個人的に印象に残った話はいくつもあるけれど、なかでもマイケル・ジョーダンにまつわる話は面白かったのであえて紹介しておくことにします。
アメリカでも日本と同様、芸能人やスポーツ選手がその大きな収入を使って事業を始めることはよくあります。しかし、日本では家族や友人、マネージャーなど身近な人間だけで始めてしまうことが多いのに対して、アメリカでは経営の専門家を紹介してもらったり様々なアドバイスをもらうためだけに、わざわざベンチャーキャピタリストに投資してもらおうとする、という違いがあるのだそうだ。
マイケル・ジョーダンも数十億だか、数百億だとかの財産を持っているにもかかわらず、ステーキハウスやゴルフグッズなどの事業を始める際には、わざわざスーツを着ていかにも「ビジネスマン」な格好をした写真をつけた提案書を増田氏のところに送ってきたのだそうで、日本との違いを感じるエピソードであります。
言われてみれば、日本の芸能人がお店を出す話ってよく聞くけれど、それが大きくなったという話はほとんど聞いたことがない。むしろ、すぐつぶれている。プロの経営者を雇って事業を行うアメリカとの大きな違いだといえるだろう。
こういった話を含めて、起業家になろうという人には役に立つ話がたくさんあるのがこの本だ。これから、起業しようという人、将来ベンチャーキャピタリストになって世界的な企業を育てよう、なんて思っている人は読んで損はない一冊だといえるだろう。
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