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2005年5月19日

ノスタルジーを感じると、人は購買意欲が増す?

この記事をTwitterに投稿するはてなにブックマーク はてなにブックマーク│ この記事のカテゴリ: 01. マーケティング
 新日本製鉄の子会社でテーマパークを運営するスペースワールド(北九州市)は十三日午前、福岡地裁小倉支部に民事再生法の適用を申請した。負債総額は三百四十億―三百五十億円。再生法の下で財務体質を改善し、100%減資した後、スポンサー企業となる札幌市のリゾート運営会社、加森観光が新たに資本金を出資し、加森観光の子会社として再建を図る。スペースワールドの営業は継続する

企業が新しい事業を始める際、よくやるのが「未来」をイメージさせる事業である。


例えば、住宅建築の会社が「21世紀の家」を作ったり、車の会社が「先進的デザイン」を盛り込んだ車を発表したり、ということをよく行っている。


ところが、こういった商品はマスコミの前での発表時点は好評なのだけど、いざ本格的に事業化すると、失敗することが多いのだということだ。


いったいどうしてそういうことになるのだろうか?


  
理由は至って簡単である。見たこともない「未来像」を見せられても、人は「感情移入」をすることが出来ないから、失敗することが多いのである。


人は商品を購入する際、「自分ならどうか?」ということを無意識に考えながら商品を買っていることが多い。「この商品を買えば、きっと便利になるだろう」とか、「これがあれば、きっと生活がちょっぴり楽しくなりそうだ」といった具合に、「自分の将来・未来」を想像し、ワクワクする気分が非常に高まったとき、その商品を買っていることが多い。


テレビショッピングではいつも商品を解説する前に「困った人」が登場し、さんざん今、困っている状況を語った後に「そこで登場したのがこの商品!」といって、商品の解説を始めることが多いが、これは「困ったこと」を語ることによって、それをみた人が自分に置き換えて考え感情移入しやすい、ということがわかっているからやっていることなのである。自分に置き換えて感情移入したときのほうが、人は購入意欲を増しやすい。だから、いつもテレビショッピングには「困った人」が登場するのである。


 
「未来」というものは、現時点で体験した人はいない。当然、その分だけ感情移入しにくい。冒頭のスペースワールド破綻の記事のように、作った時点では多くの人を集めることができると考えられた施設が、実際にはあまり長持ちしないのは、「未来像」とか「宇宙」「科学」だとかいうテーマでは、人が自分の置き換えて考えることが出来ず、感情移入しにくい、ということがその一因としてあるような気がしないでもない。


逆に、最近、やたらと「復刻版」だとか「過去のリバイバル」商品が売り出されたり、「昭和」をテーマにした場所が次々につくられたりしている。これは「未来像」とは逆に「過去」はすでに体験したものであるため、感情移入しやすく、その分だけ財布の紐を緩めやすい、という状況があるから、次々と作られているようだ。


「未来」よりも「過去」の方が「郷愁」「懐かしさ」を感じて感情移入しやすい。しかも、現時点で示された「未来」は、10年・20年後に振り返ってみるととんでもなく間違っている場合が少なくないが、過去はいつまでたったもの過去のままであり、変化することはない。つまり、「過去」をテーマにした事業なり商品なりのほうが、結局、事業を容易に進めたり、長持ちさせたりすることが出来るから、次々に「過去」をテーマにした商品などが開発・販売されているのである。


 
で、結局、何が言いたいのかというと、こういった事実を踏まえることなく、やたらと「先進の技術」「未来を先取り」というアプローチをする人(会社)が世の中には多いのですが、それはいかがなものでしょうか?ということを言いたいわけです。


人は未来とか先進的な技術よりも、意外と「過去」をテーマにした商品などに興味を持ちやすく、刺激を受けやすい、という性質もあるのは紛れもない事実です。ならば、そういったことを再度確認し、意味もなく「先進の技術」「未来を先取り」をアピールするのではなく、こういった「過去」のテーマに商品を開発したり、PR方法を考えてみたりすることも、また重要なのでないかと思ったりするわけです。


ついつい忘れがちなことですが、人はノスタルジー(郷愁)を感じると、購買意欲が増すことが多いわけで、そういうことを今一度、再認識する必要があるかもしれません。


 
(今日の一言)
ところで、「ノスタルジー」なのか、「ノルスタジー」なのか、
時々どっちだったかわからなくなります。
どうすればいいのでしょうか?


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